前回に引き続き、アルツハイマーの話。
アルツハイマーとは進行性の脳疾患。
記憶や思考能力がゆっくりと障害されて、最終的には日常生活を送る能力さえも失われる脳の病気です。
本人だけではなく、家族もとっても辛い病気でもありますね。
日曜日のウェビナーで内藤医院の内藤真礼生先生がお話している中での
「私は癌にはなってもいいけどアルツハイマーにはなりたくない。」という言葉が印象的でした。
わたしも分子栄養学を学ぶまで、アルツハイマーという病気は遠い遠い病気だと思っていました。30代で心配する病気ではないなと。
しかし、今では自分や家族が発症したら本当に怖い病気だなと思っています。
前回も書きましたが、
アルツハイマーはライフタイルや食事が大きく関わっている病気。
なので誰しもがかかる可能性があるということ。
でも逆に言えば誰しもがライフスタイルや食事によって予防できるということでもあります。
では、アルツハイマーを予防していくにはどんなライフスタイルや食生活を送っていったらいいのでしょうか?
ほとんどの先生のお話に出てきたのは、「腸と脳の関係」。
そう、「健康な腸」=「健康な脳」なんです。
どのように腸と脳が関係しているかというと、
アレルギーや飲酒、日々の食生活など様々な原因によって腸管のバリアが破られる(リーキーガット:腸漏れ症候群とも言います。)
↓
毒素が血液内に侵入
↓
脳のバリアが破られる(リーキーブレインを起こす)
という流れになります。
リーキーブレイン(脳漏れ)・・・。怖い言葉ですね。
ということで、一つの大きな予防法としては、
食事とライフスタイルで腸を健康にして脳の健康を保つことによってアルツハイマーなどの脳疾患を予防するということなんです。
もう一つ、アルツハイマーを予防する食生活について、米国ライフスタイル医学認定医の阿部みな子先生のお話の中で大きなヒントがありました。
それはアメリカで流行している「地中海式ダイエット」と「MINDダイエット」とアルツーハイマー病のリスクの話。
この地中海式ダイエットをアルツハイマー予防用に組み合わせたMINDダイエットという食事法をしっかりと取り組むことで、アルツハイマーのリスクが53%も低下したということです。
地中海式ダイエットとは、地中海沿岸の地域に暮らす人々の伝統的な料理や食事のパターンを取り入れた食事法です。
MINDダイエットとは、その地中海式ダイエットにDASHダイエットという高血圧や心臓病予防を目的とした食事法を組み合わせ、認知症予防に特化させた食事法です。
また長くなるので改めてそれぞれの食事法については詳しく書きますが、要は、
緑色の野菜、その他の野菜、ナッツ、ベリー、豆、全粒穀物、魚、鶏、エキストラヴァージンオリーブオイル、ワインを中心に食事を摂り、赤身肉やパン菓子、揚げ物やファーストフードの頻度を低くしていきます。
厳しい食事制限などではなくこういった日々の食品の選び方や取り入れ方で脳を健康に保つことが大切ということなんですね。
この食事法、文化の違いはありますが、頻度とか取り入れ方とか、結構沖縄のおばあの昔ながらの食事法とも似ているなぁと思ったり。
(そういえば沖縄の90歳台100歳台は先日ご紹介したキヨさんをはじめ、聡明で脳も健康そうなおじいおばあがおおいような・・・。)
また食生活を改善していくことも必要不可欠ですが、定期的に適度な運動をすることもリスクを30%減らせるそうです。
先進国の中でもアルツハイマー病の年間増加率が一番高い日本。
(知っていましたか??年々増加率は高くなっているんです。)
わたしの個人的な見解としては、
戦後の精製食品や加工食品の増加、緑黄色野菜の摂取不足、油を大敵としてきたカロリー主義などの食生活が大きく影響しているのでは?と思っています。
皆さんも改めて食生活を見直してアルツハイマーの予防について考えてみてはいかがでしょう。
ということでまだまだアルツハイマーの治療と予防の話は続きます。
優子